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スピルリナの共同研究事例 スピルリナの共同研究事例

共同研究事例

JAXA宇宙探査イノベーションハブの研究提案に採択

2018年9月に国⽴研究開発法⼈ 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙探査イノベーションハブが実施した研究提案募集「穀物に頼らないコンパクトなたんぱく質生産システム」に応募し、採択されました。
JAXAでは、将来的な月面長期滞在に向けた月面での食糧生産システム(=月面農場)の研究が進められています。月面農場は地球上とは異なる生産技術が必要であり、それに加えて宇宙飛行士の作業や使用するリソース(水、酸素、二酸化炭素、電力)を最小限とすることなど特異な条件での栽培となります。そのため、月面農場での畜産や魚の養殖は現在のところ費用の面で現実的でなく、地球からの補給が絶たれるとたんぱく質やビタミンなどが不足することが見込まれています。このような背景から、将来の月面長期滞在を支えることのできる、地上の最先端技術を活用したコンパクトなたんぱく質生産システムの提案が募集されました。
そこで、たんぱく質生産効率の高いスピルリナを用いた省資源で高生産性・省スペース化も可能なたんぱく質生産システムの研究開発を提案し、採択されました。本開発を通じて、月面長期滞在時のたんぱく質生産システムとしての活用はもちろん、地球上のたんぱく質供給量の増大へも寄与することを目指してまいります。
【共同機関名】:株式会社ちとせ研究所/株式会社IHIエアロスペース

JAXA・シダックスグループとの月面農場におけるスピルリナの循環型培養システムと生スピルリナ入り宇宙食に関する共同研究

2018~2019年のJAXAとの研究開発を受け、2020年からはJAXA及びシダックスグループと「月面農場における食用藻類スピルリナの循環型培養システムの改良と生スピルリナ入りメニュー開発」の共同研究を行っています。
2019年までの研究では、宇宙利用を想定したスピルリナ生産システムの開発に成功しました。2020年からはJAXAの協力を受け、実用化に向けさらなるスピルリナ生産システムの改良を行っています。さらに、長期滞在する宇宙飛行士が月面農場でスピルリナを培養することを想定し、シダックスグループと共同で栄養価の高い生スピルリナを取り入れた月面滞在食メニューの開発を行います。

現在流通している一般的なスピルリナは、加熱滅菌をすることで長期保存を可能としているため乾燥粉末になっています。しかし宇宙環境では、培養して、すぐに食材として利用することが想定されるため、非加熱の生スピルリナを使ったメニューを開発する必要があります。生スピルリナは加熱乾燥スピルリナに比べ味や臭いがなく、熱で壊れやすい栄養成分も損なわれずに摂取できるなど、食品として加熱乾燥スピルリナとは性質が大きく異なります。
弊社は世界的にも唯一大規模に生スピルリナを製品化できている企業です。 本研究を通して、生スピルリナの認知拡大と研究を推し進め、地球環境にも宇宙環境にも良いたんぱく質源を提供していきたいと考えております。

茨城大学との藻類の食品における加工性に関する共同研究

タベルモは、2018年4月より茨城大学農学部食品保蔵学研究室の中村彰宏教授と「藻類の食品における加工性に関する研究」をテーマとした共同研究に取り組んでおります。
日本では海苔やわかめ等をはじめとする海藻の食文化は古くからありますが、スピルリナのような微細藻類は食材として十分に浸透していないのが現状です。タベルモは生スピルリナのような新しい食材の認知を向上させ一般的な家庭への浸透を図るため、原材料として様々な食品に用いられていくことが重要と考えております。
当該共同研究では、生スピルリナを食品加工時の物性、風味、色、細胞の様子等を観察することで、加工時に生じる課題等を把握しつつ、生スピルリナを用いて実際に食品を試作することでタベルモの原材料としての利点や課題を明らかにし、食材としての生スピルリナの可能性を広げることを目指しております。

茨城大学と共同研究 スピルリナの共同研究事例

タベルモの加工食品への利用に向けた基本特性の把握

共同研究において、生スピルリナであるタベルモを加工食品に利用する上で必要な基本特性を調査しました。具体的には、加熱安定性、冷凍保存時の安定性、冷凍耐性、及び乳化特性について検討し、生スピルリナ特有の風味を改善する方法についても並行して検討を行っています。得られた研究結果は、タベルモの加工食品への用途探索や食品メーカー等への提案に活用しています。

タベルモの加工食品への利用に向けた基礎研究

生スピルリナを活用したソフトアプリケーションとして氷菓やドレッシングを試作し、氷菓については光劣化の検討、ドレッシングについては冷暗所保存における油水分離と色調変化を検討しました。また、生スピルリナであるタベルモを加工食品に応用する上で、色調の継時変化を抑制することも極めて重要です。高温短時間殺菌したタベルモの退色抑制効果の検討を行い、商品開発への活用を進めています。