SUSTAINABLE
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藻類産業の可能性

食料も化石燃料も、元を辿れば藻類から

約35億年前に誕生した藻類は水中での進化を重ね、コケ植物、シダ植物を経て、今の我々の身の回りにある植物へと進化しました。この藻類から植物への進化の過程において、大量に繁茂したバイオマスの残骸が地中に堆積し、長い年月をかけて化石資源へと変換されたといわれています。つまり、現代人は藻類から植物への進化の蓄積を掘り起こし、エネルギー源や化成品原料として利用しながら生活しているわけです。
また、現代の植物は藻類の子孫になりますが、人類はその植物を農作物として直接的・間接的に食することによって日々生きています。
このように、藻類が存在したことによって今の人類の生活は成り立っており、藻類は人類の生活の基盤を支えている原点といっても過言ではありません。

©2020 ちとせ研究所

藻類は様々な産業分野で利用可能

藻類は植物と同様に、「光合成」で増えます。光合成は文字通り、光のエネルギーを利用して様々な物質を合成する反応です。光合成の主原料は二酸化炭素(CO2)で、その他に窒素、リン、カリウム、ミネラルといった無機物を取り込みながら複雑な化合物を合成していきます。
光合成によって合成された種々の化合物は、各産業の原料として利用することができるため、藻類は様々な産業分野に展開することが可能になります。
バイオ業界では、藻類が合成できる化合物をレッドバイオ・グリーンバイオ・ホワイトバイオと3つの大きな分野に分けられます。
これらの3分野は既存の産業分野の中での市場規模トップ3にあたり、その合計は2,000兆円にもなります。藻類はこれだけの規模の市場に展開できるポテンシャルを秘めた産業シーズと言えます。

©2020 ちとせ研究所

スピルリナとは

スピルリナは、藍藻類に属する全長0.3-0.5mmの螺旋状の微細藻類で、35 億年前に地球上に誕生し、マヤ文明の時代から人々の貴重な栄養源の1つとして世界中で食されてきたという長い歴史を持っています。また、ビタミン・ミネラル・たんぱく質などの 5大栄養素をはじめ、食物繊維、抗酸化作用を示す植物性色素など、実に 60 種類以上の栄養素をバランス良く含みます。国連機関やNASAからも注目を集めており、近年では「スーパーフードの王様」としても広く知られています。
スピルリナは、その高い栄養成分、安全性、そして栽培の容易さから、現在世界で最も生産されている藻類となっています。健康食品だけでなく、青色着色料、水産養殖用の色揚げ材、家畜の濃厚飼料などといった幅広い分野で利用されており、最近では宇宙食としての研究も盛んです。

光合成効率を改善させる「フォトバイオリアクター」による栽培

2019年に竣工したタベルモのブルネイ自社工場では、培養容積に対して大きな受光面積を確保し、より多くの細胞に適量の光エネルギーを分配することで、高い光合成効率が期待できる閉鎖型フォトバイオリアクター(PBR)システムを採用しています。PBRは異物の混入や他生物の侵入を防ぐ効果にも優れています。

  • 1

    栽培

    世界有数の日照量を誇る赤道直下のブルネイで栽培。太陽の光を存分に浴びて健やかに育ちます。

  • 2

    収穫・洗浄

    スピルリナは壊れやすいため、特殊なフィルターでゆっくりと収穫。生きているまま不純物を取り除きます。

  • 3

    フレーク化

    タベルモ独自の技術で生スピルリナを細かいフレーク状に急速冷凍します。

  • 4

    パッキング

    フレーク状に加工されたスピルリナは異物検査・重量チェックを経て、ひとつひとつパッキングしていきます。

  • 5

    品質管理

    日本の衛生管理基準の10倍厳しい自社の品質基準をクリアしたものを、皆様の元へお届けします。