PRESS RELEASE

月面農場におけるスピルリナ培養システムの改良と生スピルリナ入り宇宙食開発の共同研究を開始

株式会社タベルモ(本社:東京都千代田区、代表取締役:佐々木 俊弥)は、衛生的な栽培方法とバイオテクノロジーを駆使したタベルモ独自の食用藻類スピルリナの培養技術を生かし、月面農場におけるスピルリナ培養システムの改良と、生スピルリナ入り宇宙食開発の共同研究を開始しました。タベルモが所有する培養システムは、主に水と光だけを用いて省スペースでスピルリナ培養が可能です。場所や資源が限られる宇宙空間におけるスピルリナ培養は、貴重なたんぱく質生産手段として宇宙飛行士の食を支えることができます。さらに、タベルモが保有する生スピルリナの知見を活かして、シダックスグループと共同で栄養バランスの取れた美味しい生スピルリナ入り宇宙食を考案していきます。本研究により、宇宙空間で宇宙飛行士が食糧を自給することが可能となり、豊かな食生活が送れるようになることが期待されます。

 

 

【共同研究の背景と目的】

バイオベンチャー企業群ちとせグループの一員であるタベルモは、2018年から2019年に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)等と実施した共同研究「食用藻類スピルリナを用いた省資源かつコンパクトなたんぱく質生産システムの開発」において宇宙利用を想定したスピルリナのたんぱく質生産システムの開発に成功しました。2020年はJAXAの協力を受け、実用化に向けさらなる改良をしてまいります。

また、長期滞在する宇宙飛行士が月面農場でスピルリナを培養することを想定し、シダックスグループと共同で栄養価の高い生スピルリナを取り入れた月面滞在食メニューの開発を行います。

 

【共同研究による目指す価値と具体的成果】

1. 日本発、省資源で培養可能という独創性、優位性を持った藻類培養システムの開発

スピルリナは世界的には栄養価とたんぱく質の両面において優良である藻類であることが実証されています。未来の食糧としても注目されており、海外の宇宙航空研究機関でも藻類培養の研究が進んでいます。

タベルモは2018年から2019年に実施した共同研究において、宇宙利用を想定したスピルリナ生産システムの開発に成功しました。省資源で培養できるという独創性と優位性がある本研究を進めることで、日本発の宇宙に向けた藻類培養システムの確立を目指します。

2. 月面農場のメニュー開発

月面でのスピルリナ生産が可能となることで、宇宙飛行士が月面農場でスピルリナを栽培し食糧として利用する、貴重な自給自足資源になることが期待されます。食に関する多くの深い知見を保有するシダックスグループと共同で月面農場のメニュー開発を行うことで、特殊な環境で過酷な任務を担う宇宙飛行士が60種の栄養素を含むスピルリナにより健康を整えると同時に、美味しく、満足度の高い食生活を送ることにより精神を整えることを目指します。

3. 宇宙のスピルリナ生産システム効率化技術から生まれるたんぱく質危機の解決

たんぱく質の生産効率が高いと言われるスピルリナは、持続可能な将来のたんぱく質源として注目されています。本研究にて宇宙環境におけるスピルリナ培養の知見を獲得し、地球におけるスピルリナ生産の効率化技術へ還元することで、たんぱく質危機の解決へ貢献することを目指します。

 

<スピルリナとは>

35億年前に誕生した藻の一種。マヤ文明時代から人々の貴重な栄養源の1つとして食されており食経験が長い。一般的なスピルリナは、60種類以上の豊富な栄養素を持ち、たんぱく質含有量が65%(乾燥重量ベース)と現在のたんぱく質源である大豆や肉よりも高いことが特徴。藻体を乾燥し、粉末や錠剤にして健康食品として食されることが多く、海外を中心に「スーパーフードの王様」として広く知られています。

 

<月面農場とは>

JAXA宇宙探査イノベーションハブが将来構想として検討を行っている、将来の月・火星の探査における長期滞在を想定し、地球からの補給に頼らずに人類が生きていくために必要なエネルギーの自給を目指した月面栽培システムです。2017年に発足したJAXA及び有識者による月面農場ワーキンググループでは、地球上の最先端の農業・バイオ技術を適用した月面農場の概念検討を行っています。この日本の取り組みは世界的にも新しい試みです。